法人による不動産売却について

会社等の法人による不動産売却では、不動産業者の仲介で買い手を募り、条件交渉を重ねて売買契約を締結し、買主と売主がともに都合の良い日に物件の引き渡しを行うといった基本的な流れは個人による不動産売却とほとんど変わりません。違いがあるとすれば、本人確認書類として利用できる書類の種類で、個人の場合は運転免許証やパスポートなどが利用できますが、会社等の場合は履歴事項全部証明書や印鑑登録証明書を用意する必要があります。

不動産売却において、個人と法人でもっとも違う点は、売却完了後の納税手続きにあるといえます。個人が不動産売却によって得た利益は所得税や住民税の課税対象ですが、会社等の場合は売却で生じた所得に対しては法人税、法人住民税、事業税の3種類の税の課税対象となり、他の事業での売上との合計金額が一定額を超えると消費税の課税対象にもなります。所得に対して課税される税金の計算方法も異なっており、個人の場合は他の方法で得た所得とは合算せずに、不動産の譲渡によって生じた所得のみで計算をしますが、会社等の場合は売却によって得た収入は益金に、売却時にかかった経費は損金に算入して計算します。また、不動産売却によって欠損金が生じた場合の扱いも異なっており、個人の場合は一定の条件を満たしている物件に限って、損失が生じた年の翌年から3年間繰越控除することが認められますが、法人の場合は中小企業は欠損金全額、大企業は欠損金の65%を限度として、損失が出た事業年度の翌期から10期にわたって繰越控除することができます。

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